FC2ブログ
スポンサーサイト

--.--.--(--)

-スポンサー広告- Comment-Trackback-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
Game 7

2013.06.08(Sat)

-my games- Comment(0)Trackback(0)
Game 7
Kojima,S - Nanjo,R
Kichijoji Team Rapid 2011
C09 French Tarrasch


2週間ほど倉庫を空けてしまって申し訳ありません。
棋譜入力と試合選びは予定通り進んでいるので、今週末で3試合解説は十分間に合うと思います。
Game7は2年前に吉祥寺チェスクラブで開催されたチーム選手権の試合です。

1.e4 c5 2.c3 e6

2009年の全日本選手権優勝者、IM Sam Collinsの影響か、Sicilian Alapinは当時日本で人気でした。
メインと言える黒の応手は2...Nf6と2...d5の2つですが、2...e6はある意味最も単純なAlapin対策でしょう。
白は今までの手で意図した戦略の通りに指すのであれば、Frenchにトランスポーズするのを避ける事ができません。

3.d4 d5 4.exd5

4.e5と指せばそのままAdvance Variationになります。本譜のように交換をした場合はExchange VariationかTarrasch Variationのいずれかになりますが、いずれの場合もFrenchで一番criticalとされる1.e4 e6 2.d4 d5 3.Nc3を黒は避けられるので、黒にとってはあまり怖くないといえます。

4...exd5

4...Qxd5と指すのであれば、2...d5とした方が良いと思います。
この手で黒はIQPを持つことがほぼ確定したので、黒は駒をアクティブな位置に置いてセンターポーンを活かさなければいけません。逆に白は黒のアクティブな駒を交換していくことができれば最終的に黒の孤立ポーンが弱点となるので、駒交換で黒を抑え込むのが作戦になります。

5.Nf3 Nc6 6.Bb5!?

白の作戦は駒交換、特にマイナーピースの交換なので、相手の駒に最もプレッシャーがかかるb5にビショップを持って行きました。d3もビショップがアクティブになる場所ですが、dファイルを塞いでしまいd5へのプレッシャーが弱くなります。

6...Bd6 7.O-O Ne7

このナイトが最もアクティブになるマスはf6で、そこからならばe4にいく狙いもありますが、7...Nf6?! 8.Re1+に対して有効な手がないのでeファイルを塞ぎます。

8.dxc5 Bxc5 9.Nbd2 O-O 10.Nb3

黒の黒マスビショップを当てることでテンポを取りつつd4のマスを固めに行きます。IQPのある局面では孤立ポーンの前のマスを支配した方が試合を優位に進めることになりますが、今のところは白はうまくやっているといえるでしょう。

10...Bd6 11.Bd3

黒がキャスリングをしたことでピンもなくなり、白からBb5xc6と指してもb7xc6と黒はポーンストラクチャーを改善できてしまうので、もうb5のマスにビショップを置く理由はありません。d3からこのビショップはキングサイドを向いており、Bd3xh7+なども狙いになっています。

11...Ng6

h7を守りつつ、ナイトを前進させます。g6からはe5やf4といったマスを睨んでおりナイトが攻守とも非常に使いやすいです。

12.Re1

オープンファイルにルークを回します。個人的には12.h3と指し次の黒の手を防いだほうが良かったと思いますが、前にも言ったように白は駒交換が目的なので警戒心が薄れていたのかもしれません。

12...Bg4!

position7-1

狙いは黒の白マスビショップと白のf3のナイトの交換ですが、この手はただ交換することが目的ではありません(ただの交換はポーンストラクチャーが固い白にとって有利になります)。黒の白マスビショップはd5のポーンと同じ色であるためバッドビショップであり、黒のマイナーピースの中では最も使いにくく、唯一d4のマスの支配に関わることができません。それに対し白のf3のナイトはd4のマスを抑えるだけでなくキングサイドを守る唯一のマイナーピースで、現状では白のマイナーピースの中で一番働いているといえます。この交換をすることで黒はd4のマスを完全に抑えこまれる展開がなくなった、ということは大きな意味を持ちます。

13.h3 Bxf3 14.Qxf3 Nce5 15.Qd1 Re8

15...Nxd3?!は白のダブルビショップを消し去りますが、白の望む駒交換となります。e5のナイトはd3のビショップと同等以上に働いているので、交換に手を使うくらいなら他のまだ働いていない駒をアクティブにするほうが優先です。

16.Bxg6

自分からダブルビショップを消してしまいますが、これで白はd4のマスの戦いに関与できない白マスビショップを交換することができました。

16...hxg6

駒を多く残すのはこの場合ポーンストラクチャーよりも優先です。お互いにルークをeファイルへ回す展開にすることができれば、白はルークでdファイルからd5のポーンにプレッシャーをかけることができなくなります。

17.Bf4 Qf6

これで黒は先にルークを連結させることができました。

18.Bg3 Nc4

またも駒交換ですが、残された黒のc4にいるナイトは白のb3にいるナイトよりもはるかにアクティブで、そのおかげでb2のポーンがd5のポーンと同じくらい弱くなります。また黒はクイーンのためのマスが6段目にたくさんあるので、お互いにルークをセンターに回した後にクイーンサイドのポーンが狙いやすく、孤立ポーンの弱点分のバランスをとることができます。

19.Bxd6 Qxd6 20.Qc2

position7-2

20...Re5!

21.Rxe5 Qxe5は黒にeファイルを取られてしまいます。しかしそのまま放っておいてもRa8-e8と重ねられるのは厳しいので、白もルークをeファイルに重ねるほかありません。その結果として、d5のポーンやd4のマスへのマークがかなり甘くなります。

21.Re2 Rae8 22.Rae1 Qa6!

position7-3

ルークがセンターに回ったのを見計らってクイーンサイドのポーンを狙いに行きます。e2のマスも睨んでいるため、白は迂闊な行動を取れません。

23.Nc1

白にとって不本意な手ですが致し方ありません。白黒のナイトの活躍の差は注目に値します。

23...R5e6

白のナイトがd4やc5に跳ねることを放棄したため、ポーンで守られより安定したe6のマスに移動します。

24.a3

c1のナイトをより良い位置に回せるようにaポーンを守りますが、逆にb2のポーンが動けなくなってしまうため今度はそっちを狙われてしまいます。

24...Qb6 25.Nd3 Re4!

Qb6-e6からeファイルに大駒を3つ重ねる準備をします。黒の駒はそれぞれ対応する白の駒よりも強く、d5のポーンは当てられる心配がなく、d4のマスは完全に黒の支配下におかれました。すでに黒良しといえるでしょう。

26.Qd1?!

手が見つからない難しい局面で駒損してしまいますが、Deep Rybka4でも26.a4や26.h4といった延命策しか提案できないあたり白は見た目やIQP局面の常識以上に悪いのかもしれません。

26...Nxb2!

position7-4

ポーンアップになると同時に白のクイーンサイドが崩壊します。

27.Nxb2

27.Rxb2 Rxe1+はさらにエクスチェンジダウンになります。

27...Qxb2!

クイーンサクリファイスですが、取られてもすぐに取り返せます。e2へのプレッシャーはもはや支えきれないほどになってしまいました。

28.Rxe4 dxe4

28...Rxe4? 29.Rxe4 dxe4 30.Qd8+ Kh7 31.Qh4+はパペチュアルでドローになります。これで黒のIQPはキングサイドのポーンと合流でき、d4とd5を巡る勝負は黒の勝利という形で終結しました。

29.Qd7 Rf8 30.Qd5

クイーンサイドのポーンは守り切れないとみて、取られている間になるべく多くのポーンを取り返そうと試みます。30.Rxe4? Qb1+はルークのただ落ちです。

30...Qxc3 31.Rxe4 Qxa3 32.Qxb7 a5

position7-5

ここで駒の取り合いは終わり、黒のワンポーンアップが確定しました。黒の作戦はもちろんaポーンを進めていくことですが、同時に白からのカウンターを受けないためにキングの守りを万全にしなければいけません。
よって黒の作戦は
1.クイーンで黒のキングサイドの急所であるf7を守り、ルークを8段目とaポーンを両方守れるa8に回す。
2.クイーン交換で勝ちのルークエンディングに持ち込む狙いを見せて、aポーンを進める。
の2段階で構成されます。

33.Qc6 Qb3

ここからならa4,a3,a2とaポーンの進路を最大限確保しつつf7を守ることができます。また34.Ra4には34...Qb1+ 35.Kh2 Qb8+ 36.g3 Qa7でf7を守りaポーンを後ろから支え白のキングサイドの急所であるf2を狙えるベストポジションに移る狙いがあります。

34.h4?!

状況を良く理解していない手にみえます。白にとってQd8-h4-d8というパペチュアルチェックは最大の武器でしたが、それもなくなってしまいます。

34...Rb8

パペチュアルがなくなったことで、黒には新たに1段目にルークとクイーンを重ねる、という作戦が可能になりました。また、h4のポーンが浮いていることを利用して、Rb8-b4による駒交換も考えられます。

35.Rf4

攻め込まれないためにも白はf7を当て続ける必要があります。

35...Qb7

ルークが自由になったので、ここから黒にとって有利なクイーン交換を盾に戦っていきます。当然36.Qxb7 Rxb7は黒のルークのほうが先にパスポーンの後ろに回れるため、簡単な黒勝ちです。

36.Qc4 Ra8 37.Qa4

aポーンの行軍を必死で止めますが、クイーンがパッシブになってしまいました。

37...Qd5

position7-6

38.Rd4 Qe5 39.Re4 Qf6

クイーンの位置を微調整してベストポジションを探していきます。

40.g3?!

この手をいずれ指さざるを得ない時が来ることも、34手目にhポーンを突いた弊害ですが、何も自主的にやることはありません。h1-a8ダイアゴナルが完全に開いてしまったことで、白のキングはいよいよ危険な状態に陥ってしまいます。

40...Qf3 41.Rf4 Qb7

この形ならばh1-a8ダイアゴナルを支配し、f7を守り、白のルークに追い回されたりしないこのマスが黒クイーンの最善の場所です。

42.Rd4 Rc8

狙いはRc8-c1からh1でのチェックメイトです。白は1段目を守らなければいけないため、他の黒の狙いへの防備が疎かになってしまいます。

43.Qd1 Re8

落ち着いて黒のルークをさらに守りに適した位置に持っていきます。

44.Kh2

随分前からお互いに時間切迫だったため、不正確な手が続いていますが、黒にとってありがたいのはいくらでも手数をかけられることです。焦る必要はなく、一歩間違った方向に踏み出したと思ったのならば戻って修正すれば良いのです。また、このように落ち着いた局面ではいきなり勝ちに結びつかなくても、相手のできることをだんだんと狭めていけばそれがいずれ勝ちに繋がります。この考え方(Do not hurry!)はエンディングでは特に大事だと思います。

44...Qb6 45.Rf4 Rd8

白が永らく押さえていたdファイルをついに黒のものにします。

46.Qf3 Qa7 47.Ra4 Qc5 48.Kg2 Rd5

ここで黒は白の駒がパッシブであることを利用し、f5へルークを回そうとします。f5からならばルークはf7を守りつつf2を攻めることができますが、8段目を空けてしまうため白の駒がすぐに侵入できる状況ではなかなかできませんでした。

49.Re4 Rf5 50.Qe3!

この試合で初めて白からクイーン交換を迫ってきます。今度は交換したあとに白のルークが先にパスポーンの後ろへ回れるため、黒はこの交換を避けます。

50...Qc6 51.Kg1 Rb5 52.Kh2 Rb8

白のルークの侵入を防ぐために、結局8段目に戻って来ました。ここから再び白の駒の働きを抑えこんでいかなければいけません。

53.Qf4 Rb1 54.Qf3 Rb2 55.Rf4 Qc7 56.Qa8+ Rb8 57.Qf3 Qa7

今度の黒の作戦はルークとクイーン両方でaポーンをサポートするというものです。

58.Qe4 Ra8

position7-7

59.Qd5 Re8

残念ながら59...a4? 50.Rxf7!は形勢が逆転してしまいます。

60.Kg2?

ここで白は判断ミスか計算違いか不注意か、黒にとって有利なクイーン交換を許してしまいます。60.Qc4ならばまだまだ試合は続いたでしょう。

60...Qa8! 61.Qxa8 Rxa8 62.Ra4

すぐにパスポーンを止めなければどんどん進んでいってしまいます。
この後はクイーンサイドに向かって白と黒のキングの競走となります。

62...Kf8 63.Kf3 Ke7 64.Ke4 Kd6 65.Kd4 Kc6 66.Kc4

position7-8

66...Ra7

オポジションをとったのは白でしたが、黒にはルークでパスする権利があります!

67.Ra3 a4!

このポーンを白は取れますが、そのためにはルーク交換が必須な上、その後起きるキングサイドへの競走で大幅な遅れを取ってしまいます。

68.f3

仕方ないので白はポーンで手待ちをしますが、無限に手待ちをできるルークに対してポーンで手待ちを出来る回数はあまりにも少ないです。

68...Ra8 69.g4 Ra7 70.f4 Ra5 71.Kb4 Ra8 72.Kc4 Ra7 73.g5 Ra5

position7-9

これで白はとうとうポーンを動かす手がなくなってしまいました。キングを動かせば相手のキングの侵入を許し、ルークを動かせばパスポーンの進軍を許してしまいます。

74.Ra1 Rf5

気まぐれか時間切迫か、あえて複雑な道を選んでいますが、74...a3でも黒勝ちです。

75.Rf1 a3 76.Kb3 Kd5 0-1

position7-10

白がaポーンをとっている間に白のキングサイドのポーンが全滅し、あとは楽勝です。
スポンサーサイト
トラックバックURL

http://chesswarehouse.blog.fc2.com/tb.php/11-2933c2f5

トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
▼ プロフィール
▼ 最新記事
▼ 最新コメント
▼ 月別アーカイブ
▼ カテゴリ
▼ 検索フォーム
▼ リンク
▼ QRコード
QR

pagetop ↑

Copyright © 2018 rnanjo all rights reserved.
Powered By FC2 blog. Designed by yucaco.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。