FC2ブログ
スポンサーサイト

--.--.--(--)

-スポンサー広告- Comment-Trackback-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
How to Beat Nanjo Part 2

2013.06.10(Mon)

-how to beat- Comment(0)Trackback(0)
Game B2
Nanjo,R - Noguchi,K
Japan Ch 2013
B15 Modern Caro-Kann


特別コーナー第2回の棋譜は自分にとって今年指したものの内、最も振り返る必要を感じた試合です。

1.e4 g6 2.d4 Bg7 3.Nc3 c6 4.f4 d5 5.e5

Modern Defenceのd5を突くラインです。c5やe5を突くラインはg7フィアンケットビショップと合わせて黒マスを狙っていくプランですが、d5を突くラインは白マスのブロッケードが主なアイデアになります。

5...Nh6

私も黒番でこの形を指すことがありますが、いつも5...h7-h5として白のキングサイドの攻めを遅らせようとします。初見のアイデアの真価を測り間違えたため、あっさり黒が互角以上になってしまいました。

6.Nf3 f6

黒のプランはf7-f6とc6-c5を絡めて、白のセンターを崩しに行くことでした。その状態からc5xd4、f6xe5を許すと最終的な形で残されたe5のポーンが弱点になってしまい、黒良しでしょう。根本的な対策をするためには、c3のナイトを動かしてからc2-c3でd4のポーンをサポートする以外の方法がなさそうです。つまり、白の理想の駒組みはBf1-d3、Nc3-e2、c2-c3になります。この形にするのであればキングサイドにキャスリングするのが当然ですが、本譜では白のキングがクイーンサイドを目指してしまいます。

7.Be3?!

クイーンサイドを目指す第一歩として、まずは黒マスビショップを展開しますが、この位置はh6のナイトをf5に呼び込んでしまいます。
白がセンターを守り切ったモデルゲームは以下のように続きました:7.Bd3 Bg4 8.O-O O-O 9.h3 Bxf3 10.Rxf3 fxe5 11.fxe5 e6 12.Rxf8+ Qxf8 13.Ne2 c5 14.c3

positionb2-1

以下42手目に1-0 Areshchenko-Makarov,Olginka 2011。黒のフィアンケットビショップが上手く封殺されているのがよくわかります。

7...Bg4

この定跡で黒のバッドビショップは使い道がないのでさっさと交換してしまいます。

8.h3?!

ナイトと白マスビショップの交換は白としてもそこまで嫌なものではありませんが、f3はクイーンにとって最悪の位置ですぐにまた動く羽目になるので交換を催促すべきではありませんでした。8.Be2からビショップで取り返す準備をし、交換後ナイトをe2に持って行っても十分センターの補強は間に合います(8.Be2 O-O 9.O-O Nd7 10.h3 Bxf3 11.Bxf3 Nf5 12.Bf2 fxe5 13.fxe5 e6 14.Ne2 Qg5 15.c3

positionb2-2

Mastrovasilis-Svetushkin Aghia Pelagia 2004)。

8...Bxf3 9.Qxf3 O-O

f8のルークが白のクイーンを狙っているため、f6xe5がスレットになっています。

10.Qe2

ここは当初の予定から作戦を変更して10.exf6としたほうがよかったでしょう。白はこのセンターを維持し続けるにはあまりに無駄な手を指し過ぎました。

10...Nf5 11.Bf2 fxe5 12.fxe5

positionb2-3

最初に描いた構想の通りに手を進めますが、c1-h6ダイアゴナルが開いてしまったためクイーンサイドキャスリングが不可能になってしまいます。12.dxe5の方がこの局面では優れていると思います。

12...Bh6!

この盤上にある黒マスのダイアゴナルで最も長いc1-h6ダイアゴナルにビショップが陣取ります。

13.g4

12手目にfポーンで取り返したときはこうやってキングサイドのポーンを進めて行けば相手のビショップを遮ることができる、という発想だったのですが・・・

13...Qb6!

positionb2-4

重要なzwischenzugです。b2とd4を当てることにより、黒の駒は退く必要がなくなりました。

14.gxf5?

どうしても正しい手が思いつかず、紛れがあるとすればここにしかないと踏んでエクスチェンジを捨てます。
実は14.Qd3!とすればクイーンサイドにキャスリングするのはまだ可能でした。以下14...Ng7 (14...Qxb2? 15.Rb1) 15.h4 Nd7! 16.Bg3 (16.g5? Nxe5) 16...Bf4 17.Bxf4 Rxf4 18.O-O-Oと続けば、駒がすでにアクティブな黒がやや指しやすいくらいで済みました。

14...Qxb2 15.Nd1 Qxa1

positionb2-5

白は駒損をしている上にキングが危険な状態にあります。お互いに正確に指し切った結果は間違いなく黒勝ちでしょうが、実戦ならば白は黒に難しい問題をぶつけ続けることができればまだ負けを避けられる可能性が高いです。より具体的に言うと、Deep Rybka4を1分以上考えさせなければ間違って勝ちを棒に振ってしまう程難しい局面がこのあと複数登場します。3点という致命的な点数差であっても、白にはクイーン、ルーク、ビショップ2つにナイト、さらにポーンが6つもあるのですから、想像力さえあればいくらでも難題を作り上げる余地はあります。

16.fxg6

自分のキングが無防備である以上、相手のキングの防御が完全では勝負になりません。fファイルが開くのは嫌なものですが、これで黒キングの前にあるポーンは1つ以下、つまりポーンでポーンを守るシチュエーションが消滅しました。

16...Qc1!

最初の難題に対し黒は完全な答えを示します。16...hxg6?!は黒キングの前にポーンがない状況になるので、それよりは白にg6xh7+とさせてKg8-h8と白のh7のポーンを盾にする構想の方が安全です。また、ここでh6のビショップに紐をつけなければ次のQe2-h5で形勢は逆転してしまいます(16...Nd7? 17.Qh5! Qc1 18.Be3!)。

17.h4

ビショップをh3から展開する準備をすると同時に黒クイーンにとって重要なg5のマスを奪います。白のキングはキャスリングを経由してh1のマスを目指していますが、すぐに17.Bg2としてはgファイルが閉じてしまうので、黒に17...hxg6!とされてしまいます。

17...Na6

ルークをつなげると同時にNa6-b4がスレットになります。

18.a3

黒のほうがただでさえ駒得だというのに参戦している駒の数まで勝っていては勝負になりません。b4のマスを抑えてナイトを封じ込めます(もちろん18...Qxa3? 19.Qh5は逆転です)。

18...Rf3!

positionb2-6

ここでも黒は最善手を指します。1手メイトがあるためルークは取れませんが、この手のおかげでルークを崩壊した白のクイーンサイドに回すことができ、正面だけでなく側面からの挟撃が可能になります。

19.Bg2

ルークをfファイルに重ねられてはひとたまりもないので、仕方なくビショップをこの位置に展開します。

19...Rc3?

ここまで驚異的な集中力を見せていた黒ですが、ここにきて次善手を指してしまいます。驚くべきことに、たったこれだけで白にはドローチャンスが生まれてしまうのです。
a3のポーンよりもc2のポーンの方が価値がありそうに見えるので自然な手でしたが、それ以上に3段目を抑える役目が重要でした。19...Rxa3! 20.O-O hxg6 21.Nc3 (21.Ne3 Rxe3!) (21.Qg4 Qxc2!) (21.h5 Qg5!) 21...Qf4!ならばどのラインでも白のカウンターを封じ込めることができました。

20.O-O Rxc2

positionb2-7

21.Qg4?!

21.Qh5!が最も正確で、白がしっかりしている限り黒はどうやっても白を負かすことができません。以下21...Qf4ならば22.Be1! Qxd4+ 23.Kh1 Rxg2(これ以外の手では潰れてしまいます) 24.Kxg2 Qe4+ 25.Kh2 hxg6 26.Qxh6 Qe2+でパペチュアル、21...Kg7ならば22.gxh7 Kh8 23.Qg6 Rf8 24.Kh1!でむしろ白若干良しとなります。

21...Rf8!

黒の最善手かつ絶対手で、同時に白が21.Qg4で防いだと思った手でした。

22.Ne3?

この手もまた最善手が見えず、最後の難題として3択を用意するつもりで指しましたが、白のチャンスは違う手にありました。22.g7! Bxg7 (22...Rf7 23.Ne3!は本譜と似た展開になりますが、白にQg4-c8+という可能性が増え、互角以上に持ち込めます) 23.Ne3! Qxf1+! 24.Bxf1 Rcxf2 25.Bd3は両者とも難しいツールーククイーンになります。

positionb2-8

22...Rcxf2!

黒は最後の3択の中から正解を引き、ようやく黒勝ちが確定したと言って良い局面になりました。
試合中は3択のうち正解は1つで、残り2つは白勝ちになると思っていましたが、実際は白黒ともに読み抜けがあり黒勝ちになる選択肢は2つ、白勝ちになる選択肢は1つでした。
もう1つの黒勝ちは22...Bxe3!で、以下23.Qe6+ Kh8 24.g7+ Kxg7 25.Qxe7+ Rf7 26.Qxf7+! Kxf7 27.Bxe3+で白勝ちだと思っていましたが、27...Qxf1+!で最後に黒の逆転がありました。
一番自然に見える22...Rfxf2?がはずれクジで、23.gxh7+ Kxh7 24.Be4+! dxe4 25.Rxc1 Bxe3 26.Qxe4+で白勝ちでした。

23.Rxc1 Bxe3

ディスカバードチェックによるクイーン取りがあるため、白はルークを逃がす時間がありません。

24.Qe6+ Kh8 25.Kh1 Bxc1

positionb2-9

26.h5?

勝負は既に決していますが、それでも黒の仕事を楽にしてしまう手はいけません。26.Qxe7とeポーンをパスポーンにするのが一番粘り強い手でしたが、本譜はこの手のせいでe7のポーンが守れるようになってしまうことを見落としていました。

26...Bg5 27.gxh7

h7-h6でg5のビショップを固められてしまったらいよいよリザイン以外にすることがなくなってしまいます。

27...R2f7 28.Bh3 Nc7!

冷静に一番使えていない駒を活用します。

29.Qd7 e6 30.Qd6 Nb5 31.Qxe6 Nxd4

positionb2-10

e5がパスポーンになりましたが、黒のナイトが参加するキングハントの方が早いです。

32.Qg4 Nf3 33.e6 Rg7

Rg7-g1#のアイデアを仄めかします。

34.Bg2 Rf4

Rf4-h4もまたアラビアンメイトです。

35.e7

最後の最後のあがきです。ここにきて白は駒得のコンビネーションを決めますが、いかんせん駒損が多すぎました。

35...Rxe7 36.Qc8+ Kxh7 37.Bxf3 Rxf3 38.Qg4

positionb2-11

黒のパニックを狙うフォークですが、ポーンエンディングに持ち込まれてしまってゲームオーバーです。

38...Ree3 39.Qxg5 Rh3+ 40.Kg2 Reg3+ 0-1

positionb2-12

疑いようもなく不調でしたが、それ以上に黒の力強い手を称えるべきゲームだったと思います。
白の手も面白いアイデアのものが多かったですが、精度に欠けていたのが残念です。
スポンサーサイト
トラックバックURL

http://chesswarehouse.blog.fc2.com/tb.php/14-145b1736

トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
▼ プロフィール
▼ 最新記事
▼ 最新コメント
▼ 月別アーカイブ
▼ カテゴリ
▼ 検索フォーム
▼ リンク
▼ QRコード
QR

pagetop ↑

Copyright © 2018 rnanjo all rights reserved.
Powered By FC2 blog. Designed by yucaco.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。