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Game 2

2013.04.13(Sat)

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Game 2
Nanjo,R - Iwasaki,Y
JCA Team 2007
A45 Trompowsky Attack



第2回の棋譜解説は5年以上前のチーム選手権のベストゲームです。30試合に1試合くらいにしてよかったと思うくらい試合内容が全体的に酷かった前回に比べて、今回は候補を絞るのがなかなか大変で楽しく悩みました。

1.d4 Nf6 2.Bg5

最近は初手1.e4一辺倒なので指すことが少なくなったTrompowskyです。1.d4プレイヤーならサブウェポンとして持っておいて損はない、逆に黒番で1.d4 Nf6を指すのであれば対抗策が必須、というのが私のこの手に対する印象です。
Trompowskyは具体的なラインを勉強してアドバンテージを狙うわけではなく、いかに自分にとって有利な要素を持った別の定跡に持ち込むか、という駆け引きの要素が強い定跡だと言えます。そのためQueen's Gambit Declined、Modern Benoni、Gruenfeld、Exchange Slav、Semi-Slav Moscow、French(!)、Sicilian(!)など、様々な形に対して冷静な判断を要求されます。

2...Ne4

ダブルポーンを避けつつ白のポーンがセンターに2つ並ぶのを防ぐためメインの手ですが、2...d5、2...c5、2...e6なども良い手だと思います。

3.Bf4 c5

ここでも黒は他に3...d5という選択肢があります。他の手は白に強力なセンターを築かせてしまうため黒にとって良くない別の定跡になります。例えば3...d6?! 4.f3 Nf6 5.e4 g6は黒が3手かけてナイトをf6に展開したのに対し白は2手かけてビショップをf4に出したので、白が1手早いPirc/Saemisch King's Indianになります(もちろん普通白はこれらの定跡でビショップをf4に出しませんが、Qd2-Bh6と黒マスビショップを交換してしまえば同じ事です)。

4.f3 Qa5+

この手もまた重要です。普通に4...Nf6?! 5.dxc5! Qa5+ 6.Qd2 Qxc5 7.e4とすると黒はクイーンとナイトを動かしすぎたため、2~3手ほど黒が遅れたSicilianのDragon、あるいはNajdorfになります。4...Qa5+は5.c3を強制させることによってSicilian形への変化を防ぎます。

5.c3 Nf6 6.d5

白はBenoniのような形にするのを狙います。6.Nd2も面白い手で、以下6...cxd4 7.Nb3 Qb6 8.Qxd4 Nc6 (8...Qxd4 9.cxd4 d5は純粋なExchange Slavと比べて黒は辛いです) 9.Qxb6 axb6 10.Nd4!?などと続きます。

6...d6?!

一連の流れを理解する上で役に立つのがマイナーピースの使用手数計算です。この場合では白のf4のビショップが2手、f6のf6のナイトが3手使っているので、このまま別の定跡の形にしてしまうとこの1手損が響いてしまいます。なんらかの方法で黒は白の自然な展開を妨害する必要があり、そのため6...Qb6と6...e6が候補にあがります。
最近の試合を調べてみたところ、6...e6 7.e4 exd5 8.exd5 d6 9.Qd2 Be7 10.c4 Qxd2+ 11.Nxd2 Nh5 12.Be3 f5 ( Moskalenko - Fluvias Polato 2013 )とここ5年でセオリーはあまり進んでないようです。

7.e4 g6 8.Qd2 h6?!

Be3-h6から黒マスビショップを交換する白のプランを止めますが、この手を指したことによってキャスリングができなくなってしまうため矯角殺牛のように見えます。

9.Na3 Bg7 10.Bd3

position2-1

黒がa7-a6と指すのを待ってからナイトをc4に跳ねることによって、b7-b6、Bc8-a6xc4という黒のプランを防ぎます。もちろん黒のクイーンがa5にいる間に10...b6としてしまってはクイーンが自陣に帰れなくなってしまいますが、10...Qd8は有りだったと思います。

10...a6 11.Nc4 Qd8 12.a4 b6 13.Ne2 Nbd7 14.O-O

結局序盤はSchmidt Benoniの形に落ち着きましたが、黒のナイトやクイーンによる手損のおかげで普通より白がかなり有利なバージョンになったといえます。白の駒組みは一般的ではありませんが、駒を全て展開しキャスリングも終えています。また、Qd2-Bf4のバッテリーが黒のキングサイドを、c4のナイトが黒のカウンターの起点となるb6-b5とe7-e6のブレイクを、b2-c3のポーンが黒のフィアンケットを抑え込んでいます。

14...g5

キングサイドをさらに弱めますが、そもそも有効な手自体あまりない状況です。

15.Be3 Nf8 16.b4!

黒の意識がキングサイドに移った段階で、手薄になったクイーンサイドを狙います。強力なセンターを保有している最大のメリットは、キングサイドとクイーンサイド、状況に応じてどちらへも簡単に駒を向けることができることです。

16...Ng6 17.a5!

position2-2

この手で黒のクイーンサイドが崩壊します。17...bxa5は18.bxc5 dxc5 19.Bxc5、17...cxb4は18.Nxb6 bxc3 19.Nxc3といずれも白はルークのためのオープンファイル、ナイトやビショップのためのb6とc6のマスを手に入れ、黒は弱点となるポーンが残ります。
17...b5とクイーンサイドを閉じようとしても18.Nb6 Rb8 19.bxc5で駒損となる上、将来的なc3-c4が止まらないので黒は崩壊している黒マスを支えようとします。

17...Nd7 18.axb6 Nxb6 19.bxc5 Nxc4

19...dxc5 20.Nxb6 Qxb6 21.Rfb1 Qc7 22.Rb5! axb5 23.Bxb5+ Kf8 24.Rxa8も辛いです。

20.Bxc4 Ne5 21.Bb5+!

黒にエクスチェンジを捨てるか、c6にプロテクテッドパスポーンを許すかの厳しい2択を迫ります。

21...axb5 22.Rxa8 Nc4 23.Qd3 O-O

結局白に強烈なパスポーンを作ることを許してしまいますが、23...dxc5 24.Bxc5 (24.Rb1!?) Qc7 25.Bd4も絶望的なことには変わりません。

24.c6 e5

position2-3

25.g4!

センターを閉じて一か八かのキングサイドアタックを仕掛けようという黒の狙いを始まる前から止めてしまいます。キングサイドのスペースアドバンテージも望めない今、黒の駒は本格的に行き場所をなくしています。

25...h5 26.h3 h4

予定外ですが、白のナイトがg3に行くことを許すわけにもいかないでしょう。
これでキングサイドの突破は実質不可能となったので、白は再びクイーンサイドの蹂躙に専念出来ます。

27.Bf2 Kh7 28.Rb1 Nb6 29.Rb8

position2-4

ルークを重ねるのは非常に強力な使い方の一つですが、特に相手の弱点に対してはこのように前後から狙っても同等以上の突破力を得られることはあまり知られていないと思います。この場合、ルークがb5ポーンの前後のマス全てを抑えていることによって弱点が守りづらくなっていること、弱点のb5が落ちたあとルークが連結してますます手を付けられなくなることが挙げられます。

29...Na4 30.Qxb5 Qf6 31.Kg2

31.Qxa4とピースを取っても白勝ちですが、すでに戦略的に完勝している以上余計なカウンターを許す必要はありません。

31...Nc5 32.Bxc5 dxc5 33.Qxc5 Ba6 34.c4

黒の駒をこれ以上キングへ近寄らせません。ここまで粘った黒もこれが最後の策だったようです。

34...Rc8 35.Rxc8 Bxc8 36.Rb8 Ba6 37.c7 1-0
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