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Game 3

2013.04.21(Sun)

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Game 3
Nanjo,R - Shiomi,R
Japan Ch 2011
A00 Dunst Opening



今週は2011年の全日本選手権より思い出深い一局を解説したいと思います。この試合が指されたのは全部で11ラウンドある大会の9ラウンド目のことですが、前のラウンドで馬場さんに負けてしまったため、優勝のチャンスを残すためには絶対に勝たなければいけない試合でした。

1.e4 d5 2.Nc3

この時私はScandinavianに対して何をしていいのかさっぱりだったので、当てられたポーンを守りつつナイトを展開してみました。悪手ではないと思いますがロジックに従って考えてみると、この手が返ってくる保証があるのであれば世界中のCaro-KannプレイヤーがみなScandinavianに転向するのではないでしょうか・・・
ちなみにこの時点で1.Nc3 d5 2.e4にトランスポーズするためECO CodeはA00になります。

2...dxe4

黒は序盤をClassical Caro-Kannのように扱っています。とても常識的で賢明な判断でしょう。
2...d4 3.Ne2 e5 4.Ng3は意外と白が面白く、2...Nf6?! 3.e5 Nfd7 (3...Ne4?! 4.Nce2!) 4.e6!?は白の方にチャンスがありそうなポーンサクリファイスにみえます。

3.Nxe4 Bf5

ここで3...Qd5とされると白には4.Nc3とScandinavianのメインラインに戻るほかなさそうですが、c7-c6分の1手を自由に使えるCaro-Kannというのも悪くないでしょう。

4.Qf3!?

3...Bf5の手によって浮いたf5のビショップとb7のポーンを狙った手です。私はとっくに未知の領域に突入していましたが、あとでデータベースで調べたところここまで同じ展開の試合は意外と多く、白側にも2500くらいまでのプレイヤーがいたようです(結果は大変残念ですが)。

4...e6

黒が満足な局面にたどり着く最も単純な方法は4...Bxe4 5.Qxe4 c6 6.Bc4 Nf6 7.Qe2 e6 8.Nf3 Bd6 9.d4 Nbd7 10.c3 Qc7 11.Ng5 0-0 (Lenderman-Georgiev 2007,90手目に0-1)のように指し、白ではなく黒が相手のクイーンを追いかけ回して手得するScandinavian形にすることだと思いますが、アグレッシブなこの手はそれ以上に強いかもしれません。

5.Bc4?!

とりあえず駒をアグレッシブに出そうという手ですが、黒のナイトがe5に来たときに厄介なこととなります。Deep Rybka4お勧めの5.Ng3 Bxc2 6.Qxb7 Nd7も、個人的な趣味の5.g4!?も本譜の手よりかはよさそうです。

5...Nc6

黒は5手ほど自然な手を指した結果かなり良い局面を得ましたが、すぐに事態は急変します。

6.d3 Ne5

position3-1

7.Bb5+?

必死にダブルビショップを残そうとしますが、むしろそのビショップをタダで黒に献上してしまいます。
7.Qe2 Nxc4 8.dxc4 Nf6 9.Ng3などといった筋では白は黒と比べて良いところは何一つないですが、本譜の白の局面と比べれば駒損していないだけマシです。

7...c6 8.Qg3 Bxe4!

8...Qa5+? 9.Nc3と8...cxb5? 9.Qxe5では悪手を咎めることができません。

9.dxe4 Qa5+ 10.Bd2 Qxb5

本邦初公開、全日本選手権の重要な試合に開始10手でピースただ落ちをするレート2300の図です。黒の局面には弱点もなく、展開も深刻な遅れをとっているわけでもないので、大抵のプレイヤーはここかあるいはもう少し前にリザインするでしょう。しかし、白にはろくに動いていない駒がたくさんある状態で、それらに活躍するチャンスも与えないまま試合を終わらせることは私にはどうしてもできませんでした。駒が「まだやれる」と言っているうちに考えることをやめてしまっては、駒からも愛想を尽かされてしまいます。

11.Bc3

position3-2

ここから白にはひとつの作戦しか許されません。最速の全軍展開から、最速でセンターを破る特攻あるのみです。
まずb2のポーンを守りながら相手のナイトを当て、テンポよくビショップをロングダイアゴナルにのせます。

11...f6?!

駒得で安心しきったのか、いきなり切れのない応手が来ます。黒に残された仕事はキングサイドの駒を出してキャスリングすることだけなので、ナイトがf6にいけなくなり、e7のマスを予約することでさらにビショップを圧迫するこの手は良くないでしょう。
しっかり読めている前提で、一番簡単なルートは11...Bb4! 12.Qxg7 Bxc3+ 13.bxc3 Ng6 14.Nf3 (14.h4 Qe5!) Rd8!で白のクイーンが生きて帰ることも白のキングが安全にセンターを抜け出すことも難しそうでしょう。手始めにRd8-d7からf7-f6のクイーントラップが厳しいです。他にも11...Ng6 12.0-0-0 (これ以外の手には12...0-0-0が有効です) Nf6! 13.Bxf6 gxf6も白のアタッキングチャンスが激減します。Qb5-Qe5(-Qg5+)のクイーン交換が決まれば降参の頃合いですし、14.Qc7 Bh6+! 15.Kb1 0-0はセンターから攻撃対象が逃げてしまいます。

12.Ne2

前の黒の手で弱くなったe6のポーンを標的にします。序盤に白がe5にナイトが来るのを軽視したのと同じように黒もd4にナイトが来るのを軽視したのはなんとも洒落がきいてます。

12...Kf7

いわゆる人工キャスリングというもので、狙われたe6とg7のポーンを同時に守ります。黒は次にBf8-b4で駒交換を予定しているので、いよいよ一刻の猶予もありません。

13.f4 Nc4 14.Nd4 Qb6 15.O-O-O

黒の駒を当てながら駒の位置を改善し、ついにキャスリングをしたことによって出す必要のある駒はh1のルークのみとなりました。5手前と比べれば幾分希望が見えてきたと思います。

15...c5

黒は駒の展開が難しくなってきたので、そろそろコンペンセーションという言葉を使っても良い状況になってきたと思います。一番自然そうな15...Bb4はg7のポーンの守りがなくなってしまうため、16.Nxe6! Qe3+ (16...Kxe6? 17.Qxg7でQg7-d7#とf4-f5#のスレットが受かりません) 17.Qxe3 Nxe3 18.Nd8+でいくらか駒を取り返せます(Deep Rybka4はこの局面でついに評価が黒勝勢ではなくなりました)。

16.Nf3 Nd6?!

dファイルをブロックしながらe4を当てる手ですが、駒の展開をしない上に白の最後の駒が効率よく出てきてしまいます。私が黒だったら16...Ne7と駒を出して勝負、と行くところでしょうか(16...Nh6? 17.Rd7+ Ke8 (17...Be7 18.Rxe7+!) 18.Rxg7!は黒陣を食い破られてしまいます)。
Deep Rybka4は16...Qa6? 17.b3 Nd6 18.Rhe1 Qxa2の筋を黒良しとやたら固執しますが、19.Ne5+!と指されると手のひら返しをします。

17.Rhe1 Qc6?

黒はピースアップになってからポーンとキング以外に新しい駒を触っていない、非常にまずい展開です。もうすでに黒は新しい駒を有効に出す方法が残っていませんでしたが、本譜の手では白のブレイクを誘発してしまいます。
白のセンターポーンの射程圏から駒を避け、駒交換を狙う17...Nb5が黒にとって最後のチャンスだったでしょう。

position3-3

18.f5?!

Nd6xe4を防ぐという意味で実戦的な手ですが(18...Nxe4 19.Qf4 Nxc3 20.Ne5+!)、最善ではなかったようです。18.e5! Ne4 19.exf6! gxf6 (19...Nxg3 20.Ne5+) 20.Rxe4! Qxe5 21.Bxf6! Qe3+! 22.Kb1 Qe2! 23.Re1 Qxe1+ 24.Qxe1 Nxf6 25.Ng5+という凄まじい変化をコンピューターは互角と言っていますが、白の攻めを防ぐ手段が見当たらないことを考えると良くなるとすれば白だけでしょう。

18...Re8?

ラストチャンスを見つけられませんでした。18...exf5! 19.exf5 Re8! 20.Rxe8 Kxe8で白の攻め駒が切れるまで粘るのが最善で、そうすればまだ黒が良かったとのことです。

19.fxe6+ Rxe6 20.e5!

position3-4

2つ目のポーンブレイクを入れることによって、黒は陣形を維持することができなくなりました。ここまで来れば、形勢は逆転したといって良いでしょう。白は10手で敗勢となったところを10手でひっくり返すことに成功しました!

20...Ne4

当然ながらこのポーンをとることはナイトフォークがあるためできません。

21.Qf4 Nxc3 22.Ng5+ Ke8?

最後の小さなミスですが、22...Kg6の方が粘り強かったでしょう。以下23.g4! fxg5 24.Qf5+ Kh6 25.Rd3! Qg3 26.Qxe6+ g6 27.Rxc3で駒はほとんどイコールですが、黒のキングが危ういこと、キングサイドの駒を展開できる見通しが立たないことは依然として変わらないため、黒は厳しいです。

23.exf6

センターのd,e,fファイルが全て開き大駒がキングに襲いかかります。しかしこの手によって作られる最大の狙いはQf4-b8+!でしょう。黒はバックランクを守る術がありません。

23...Nxa2+ 24.Kb1 Nc3+ 25.bxc3 Qb6+

黒は白のスレットを防ぎ用がないのでチェックでもかけてみますが、それも尽きてしまいました。

26.Kc1 gxf6 27.Qb8+ Ke7 28.Rxe6+ 1-0

この局面にある2手メイトの中で最も普通なものを選んでしまいました。あとで言われて気づきましたが、28.Qd8+、28.Qc7+も2手で終わります。

この試合を並べると、やはり可能性を出し尽くす前に諦めてはいけないということを強く実感します。また、しっかりした序盤を持つ必要も教えられます。(こちらは残念ながらまだ自分に上手く言い聞かせられてませんが・・・)
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