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Game 4

2013.04.26(Fri)

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Game 4
Nanjo,R - Kojima,S
Tokyo Open 2009
B33 Sicilian Sveshnikov


今週は2009年の東京オープンの最終ラウンドに指した試合を解説します。

1.e4 c5 2.Nf3 Nc6 3.d4 cxd4 4.Nxd4 Nf6 5.Nc3 e5

日本ではすっかり見る機会が少なくなったSveshnikovですが、世界ではまだ主流ラインの一つです。2012年にあったAnand対GelfandのタイトルマッチでGelfandが黒番でAnandの不意を打つことに成功し、後一歩で勝てる局面までたどり着いたのは記憶に新しいことです。
Sveshnikovを指すことで黒が得られるメリットとしては堅いセンターとそれに支えられた駒の自由な展開があげられます。そのためNajdorfやScheveningenなどのように、序盤に一度ミスをしたがために20手以内に黒が攻め潰されるようなことは比較的少ないと思います。その安全性の代償として白はd5のマスやポーンストラクチャーの優位性を得るので、それを駆使して戦うのが一般的でしょうか。他の要素として、白はa3のナイト、黒は黒マスビショップという使いにくい駒をそれぞれ持っているので、それをいかに使えるようにするか、あるいは使えないよう妨害するか、双方の戦略が重要になってくると思います。

6.Ndb5 d6 7.Bg5 a6 8.Na3 b5 9.Bxf6

黒のポーンストラクチャーを崩すためにはここでナイトを取らなければいけませんが、この手が本当に最善なのかは私にはわかりません。先ほど述べたAnand-Gelfand Moscow Wch(5) 2012 は9.Nd5 Be7 10.Bxf6 Bxf6 11.c4と続きました。

9...gxf6

9...Qxf6? 10.Nd5 Qd8 11.Bxb5!は私のデータベースによると白が勝率80%以上を誇る死路です。

10.Nd5 f5 11.Bd3

11.c3もあったような気がします。

11...Be6 12.O-O Bxd5 13.exd5 Ne7 14.Nxb5!?

position4-1

この手を私は岩崎さんに教わりましたが、調べてみるとかなり古い筋のようです。発想としては非常にシンプルで、ワンポーンをとるとともにナイトを使えなさそうなa3のマスからよりセンターに近いc3へ回しておこうという手です。白の勝率はあまり高くないようですが、改めてこのラインが指された試合を調べてみると過小評価のように思えます。
一つ確かに言えることは、この試合は他人の研究がベースとなっているので、普段私が指す試合の序盤のように壊滅的ではありません!

14...Bg7

当然ですが14...axb5? 15.Bxb5+はできません。

15.Nc3 e4 16.Bc4 Ng6

黒はBg7xc3で白のポーンストラクチャーを崩し、ナイト対ビショップの形で戦うことを選択します。Van Welyが2004年に採用しているプランで黒の勝率も高いですが、最近の試合は16...0-0!?とキングを比較的安全な場所へ移し、黒マスビショップを残して戦う試合が多いようです。
16...O-O!? 17.Qh5 Qc8 18.Bb3 Ng6 19.Rae1

position4-2

19...Re8 (Iwasaki-Ferrufino Istanbul Ol 2012では19...Kh8 20.Ne2?! f4!で黒が主導権を握り27手で勝ちましたが、20.f4!は白良しに見えます) 20.f4 exf3 21.Rxe8+ Qxe8 22.Qxf3 f4 23.Ne4 Bd4+ 24.Kh1 Qe5 25.c3 Be3 26.Nf2 Re8 Areshchenko-Kuzubov Poltava 2006

position4-3

この試合はドローになりましたが、現時点で黒のコンペンセーションは不十分に思えます。27.Bc4 a5 28.Nd3とセンターのマスを抑えに行けば白が良さそうです。

17.Qh5

f5のポーンを当てて、黒に選択を迫ります。17...Qd7などといった手では消極的すぎてポーンの代償をとりにいけないので、手は限られます。当時のプレパレーションはここで終わっていたような気がします。

17...Bxc3 18.bxc3 Qf6

position4-4

f5のポーンを守りながらクイーンを最もアクティブな位置に持っていきます。c3のポーンも当てられていますが、それ以上に危険なのはNg6-f4のスレットでしょう。

19.Qh6

g6のナイトを一時的にピンにし、黒のキングサイドへのキャスリングを止め、重要なc1-h6ダイアゴナルをマークします。

19...Rg8

いつでも取れるc3のポーンは急いで取りに行かず、まず白のキングにルークを向けるこの手が主流なようです。19...Qxc3 20.Be2! Qe5 (20...Qxc2 21.Bxa6! Rxa6 22.Rac1) 21.Rab1 Nf4?! 22.Bc4 Rg8 23.g3 Nxd5 24.Rb7 Ne7 25.Rd1 Rd8

position4-5

26.Bb3 Rg7 27.Qe3 Qf6 28.Qb6 Ng6 29.Ba4+ Kf8 30.Rb8 1-0 Kislik-Yu Budapest 2010はこのラインのモデルゲームに見えます。白も黒もあまりポーンの数は気にせず、ルークのためのオープンファイル、白ならばビショップのためのオープンダイアゴナル、黒はナイトのためのマスを重視して指すべきでしょう。

20.Kh1!?

危険なgファイルからキングを外し、またf3で黒のセンターを崩す準備にもなる手です。ここでデータベースの試合と完全に別れますが、この手は悪くない、むしろ面白いと思います。

20...Qxc3 21.Bb3 Rg7

完全に予想外の手で、はじめは何事かと思いましたが、このラインではよくあるアイデアです。この後黒はキングをe8-f8-g8とスライドしていく予定で、キングを安全な場所へ避難させつつルークをオープンファイルで使う組み方を狙います。
ただこのラインの黒の本領はエンディングにあると思うので、21...Qg7でクイーン交換を狙うのが最も自然に見えます(ただし22.Qxg7 Rxg7 23.f3は白若干良しかもしれません)。

22.Rae1

ついに全ての駒の展開を完了します。この試合はDeep Rybka4にかけても白の手はほとんど最善か微差の次善のものばかりなので、良く集中できていたようです。

22...Kf8 23.Re3 Qd2

後の試合で黒はここで23...Qc5と手を変えてきましたが、それでも白良しの局面になっているので、黒はどこをどうするべきだったか非常にアドバイスしにくいところです。
23...Qc5 24.Qh5 a5 25.a4 Re8 26.Qxf5 Re5 27.Qf6 Ne7 28.Rg3! Nf5 29.Rxg7 Nxg7 30.Qd8+ Re8 31.Qh4 Kg8

position4-6

ルークを1つ交換した結果、キングの守りが薄すぎてワンポーンダウンの代償を狙うどころではありません。ここで白は落ち着いて32.h3! f5 33.Qf4!と全てのスレットをあらかじめ防いでおいてからRf1-e1-e3と2回目のルークリフトを実行するプランが強烈でしたが、試合では32.Qg3 f5 33.Qe3? Qxe3 34.fxe3 Rc8 35.Kg1 Kf7 36.Kf2 Kf6 37.Ke2 Ke5と進み逆に黒のキングのアクティビティが勝負を決めました(0-1 Nanjo-Kojima JCA Christmas 2009)。

24.Qg5

ここからクイーンで黒の弱点のポーンを当てることでアクティブな黒の駒を追い返していきます。

24...Ne7 25.Qf4 Qb4

25...Rd8? 26.Rxe4!は致命的なタダ落ちです。

position4-7

26.f3!

ここでようやく黒のセンターを崩すことに成功します。若干キングの周りにスレットが生じますが、黒はクイーンひとつで白を本格的に脅かすことはできません。

26...a5 27.a4 Qd2 28.g3 exf3 29.Rfxf3

eファイル、fファイルが開いたことによって、そこにルークを持っている白が明確な優勢を手に入れます。反対に黒は強みのe4のポーンを失い、gファイルも無力化されたため戦う材料が残っていません。

29...Rd8 30.Rf2 Qd1+ 31.Rf1 Qd2 32.Rfe1!

position4-8

オープンファイル2つに並列でルークを並べるのも強力ですが、やはりルークの真髄はその突破力で、それは重ねることによってより強化されます。

32...f6

32...Ng6には33.Re8+も駒得ですが、33.Qxd6+!は即死です。黒はなんとかg7のルークの使い道を模索しますが、キングを守っている重要なポーンが浮いてしまいました。

33.Qh4?!

時間切迫のためか、ここでついにはっきり最善ではない手を指してしまいますが、大局に影響はありません。よりすっきりした勝ち方は33.Qh6! Kg8 (33...Ng8 34.Re8+! Rxe8 35.Rxe8+ Kxe8 36.Qxd2が読み切れていなかったのだと思います) 34.Qxf6にありました。

33...Ng8

今度はf6のマスを守れますが、eファイルががら空きになってしまいます。

34.Qh5 Re7 35.Rxe7 Nxe7 36.Re6

片方のルークで守りを削り、もう片方でその結果浮き彫りになった弱点を狙います。黒が守らなければいけないマスはf5,f6,e7,e8,h7とあまりにも多く、そのための戦力はあまりにも小さいです。

36...Nxd5 37.Rxf6+! Kg8 38.Rxf5 1-0

最後の手も最善ではなく、38.Qxf5はエンジンによれば12手メイトのようですが、d5のナイトが助からないのでこの手でも十分でしょう。
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