FC2ブログ
スポンサーサイト

--.--.--(--)

-スポンサー広告- Comment-Trackback-
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
The Delightful Dutch Part 1

2013.04.26(Fri)

-classical dutch- Comment(0)Trackback(0)
Game D1
Uehara,S - Nanjo,R
Japan Open 2009
A96 Classical Dutch


自分がClassical Dutchを黒で指す試合が多く振り返るのも案外勉強になったのですが、あまりにも試合が多すぎて通常のmy gamesに入れるのが憚られるため、新コーナー"The Delightful Dutch"を開くことにしました。How to Beatシリーズ同様不定期連載になるのでご了承ください。

1.d4 e6

通常Dutchというものは1.d4 f5で始まりますが、その場合だと2.e4、2.Nc3、2.Bg5といったAnti-Dutch Linesも相手にしなければいけないので、それらを避けながらClassical DutchやStonewall Dutchを指したいプレイヤーは初手1...e6から開きます。当然2.e4 (と2.Nc3)を指されたらFrench Defenceに対応しなければいけませんが、扱えるようになれば有力なムーブオーダーです。ある一定のレベルまでなら1.e4と1.d4の定跡を両方用意はできていないだろうという読みの元でハッタリをかましても構わないでしょう。
また、同じようにLeningrad DutchプレイヤーはAnti-Dutchを避けるのであれば1.d4 d6 2.Nf3 g6 3.c4 f5や1.d4 g6と指すことができます。ただし、ある程度はAnti-Dutchも指し慣れておかないと普段1.e4を指すプレイヤーまでもが自分と試合するときだけ1.d4を指すようになるのでご注意を・・・

2.Nf3 f5 3.g3

Leningrad Dutch以外のDutchを相手にするとき白は普通c2-c4やNb1-c3といった手を遅らせることが多いです。理由としては、黒にBf8-b4(+)のオプションを余計に与えてしまうから、Stonewall Dutchで来られたときにクイーンサイドのナイトはd2に配置したいから、などがあります。
また、白がキングサイドのビショップをフィアンケットすることが多いのは、f5のポーンを狙うために白は将来的にe4と突きたいからです。e4をサポートするのはe3-Bd3-e4とg3-Bd3-e4の2通りがありますが、手損をしないのであればフィアンケットした方がセンターにプレッシャーをかける分良い、という判断でしょう。その突破力の差は黒がStonewallを指したときに顕著です。

3...Nf6 4.Bg2 Be7 5.O-O O-O 6.c4 d6

ここで黒はClassical Dutchを選択します。白の陣形に応じてClassical/Stonewallのうち有利な方のセットアップを指し分けるのはこの2つのラインを指すプレイヤーにとって必須とも言えますが、Classical Dutchを選んだ場合はこの後も(1手損してでも)Stonewallに移行したほうが良いケースが出てきます。
また、6...Ne4!?というラインをAlekhineが指していたりします。

7.Nc3 a5

positiond1-1

ここがClassical Dutchのスタートラインとも言える局面です。黒は7...a5の他にも7...Qe8、7...Ne4などといった手がありますが、私はほとんどの試合で7...a5を指しています。7...a5の特徴としては白に安易なe4を突かさせない、クイーンサイドから攻めるプランも考慮にいれる、の2つがあります。
ここで白が良く指す手としては8.b3、8.Re1、8.Bg5、8.Qc2などがありますが、この試合では白は8.Re1のオールド・メインラインを選びました。

8.Re1

白の戦略はe2-e4と突くことで、次の手にでも9.e4と指したいところでしょう。もしこれに対し黒がf5xe4とこのポーンをとるようなことになってしまったら、オープンになったeファイルとe6の弱点が黒を苦しめる展開になるので、黒はなんとしてもそのような事態を避けなければいけません。
もっと具体的に言うと、e4と白に指されたときに
1)e6-e5とカウンターする
2)f5-f4と突き越す
のどちらかを準備できていなければいけません(どちらもできなければd6-d5でStonewallにしましょう)。

8...Ne4

残念ながら黒はまだどちらの対抗策も用意できていないので、ナイトでe4のマスを直接塞ぐことにします。
また、黒は白と比べてスペースが少ないので、黒のf6のナイトと白のc3のナイトの交換は大歓迎です。

9.Qd3

e4のマスをさらに当てることによってこのナイトをどうするか黒に催促します。ほとんどの場合は変わりませんが、9.Qc2の方がよく指されます。

9...Nxc3

9...d5!?でStonewallにするというのも悪くないでしょう。白はc3のナイト、d3のクイーン、e1のルークの位置が悪く、Stonewall Dutch形を咎められるような状態ではありません。

10.Qxc3

ここで10.bxc3と取り返す手もありますが、その場合は9.Qc2とした方が良いでしょう。再び11.e4が白のスレットとなったので黒はどうにかしなければいけません。

10...Nc6!

Classical Dutchでは黒のクイーンサイドのナイトはc6に行くケースが大多数を占めます。e5をサポートするのが目的ですが、10...Nd7のように白マスビショップの利き筋を遮ったりしないという利点があります。
注意しなければいけないのは、この時白がd4-d5とc6のナイトを当ててきた時に何もなければ白良しなってしまうことですが、ここで11.d5 Bf6! 12.Qd2 Ne5は黒互角以上といえます(13.Qc2 Nxf3+ 14.Bxf3 e5!; 13.Nxe5 dxe5 14.dxe6 c6!)。

11.a3?!

ここで定跡を外れます。白は11.e4 e5! 12.dxe5 dxe5と進んだ後に生じるBe7-b4のスレットが気になったようです(これも7...a5の隠れたメリットの1つ、b4のマスを黒のマイナーピースのために移動可能にすることです)が、そのおかげで黒はe5を十分な回数守ることができます。
ちなみに定跡は11.e4 e5! 12.exf5 Bxf5と続き、代わりに12.dxe5 dxe5 13.a3としようとすると13...Bb4!で白は駒損してしまいます。

11...Bf6 12.e4

白は万全の体勢でe2-e4を突くことに成功しましたが・・・

12...e5!

positiond1-2

黒もまた万全の体勢でe6-e5を突けました!Classical Dutchで黒がe6-e5を無事に指せた場合は少なくとも黒は互角以上になったと考えていいと思います。
13.d5?! Ne7は黒の攻めが早いKing's Indianになってしまうので白はセンターを開くしかありませんが、黒のピースが非常にアクティブになってしまいます。

13.dxe5

13.exf5 Bxf5 14.Be3 Be4!は白のキングサイドの白マスの弱さが気になります。

13...dxe5 14.Be3

14.exf5? e4はピースダウンになってしまうので、白は黒に孤立ポーンを持たせることすらできません。
白は次の手で駒を全て展開できますが、その後の明確なプランがないことが大きな悩みです。クイーンサイドでは白マス、センターでは黒マス、キングサイドでは白マスの弱点が問題で、さらに黒の駒がどれも簡単に攻撃的な位置に辿り着けることがそれを際立たせます。

14...f4!

やはりピースダウンするのでこのポーンを取ることはできません。
15.Bc5 Rf7! 16.Rad1 Rd7は黒がdファイルを取れてしまうので白はおとなしくc1にビショップを戻しますが、その前にa1のルークを展開します。

15.Rad1 Qe7

15...Qe8からh5のマスを目指すのも悪くないですが、今度は16.Bc5が鬱陶しくなります。

16.Bc1 fxg3 17.hxg3 Bg4

追い返す手段のないこのビショップはClassical Dutchの強力な武器の1つです。fファイルからルーク、d4のマスからナイト、h5からクイーンがf3のナイトを集中砲火することもよくあります。

18.Rd5 Be6

キングサイドをさっさと攻めたいところですが、まずはセンターを盤石にすることから始めるべきです。今からアタックを開始してもf6のビショップやa8とf8のルークは攻めに参加できません。

19.Rd3

19.Rb5 b6はルークがクイーンサイドから戻れなくなってしまいます。

19...Qf7

c4のポーンを当てつつテンポよくh5の好位置を目指します。

20.c5

positiond1-3

20...Be7

fファイルを開きつつc5のポーンをマークするので悪い手ではありませんが、ここで黒はクイーンサイドも盤石にしておくことが最善でした。20...a4!としておけば白は唯一のカウンターであるbポーンの突きも防がれ、為す術がなくなります。ここ以外にもあと数手の間a5-a4と指す機会があったので、どこかで指すべきでした。

21.Be3 Qh5 22.Bc1 Rf7 23.b4

ようやく白はクイーンサイドのポーンを伸ばしますが、すでに黒はルークをfファイルに重ねる準備までできているので、黒良しは揺るぎません。

23...axb4 24.axb4 Raf8 25.b5?

黒駒のアクティビティを過小評価したがための読み抜けです。bポーンをこれ以上進めるとc5のマスが弱くなるので、25.Bb2 Bg4 26.Ree3とじっくり我慢する必要がありました。

positiond1-4

25...Nd4! 26.Nxd4 exd4 27.Qxd4 Bxc5! 0-1

白のクイーンサイドのカウンターに対して、今まで息を潜めていた黒マスビショップが鋭いクロスカウンターを決めます。h5のクイーンがここでビショップを守っているのが予想外だったのでしょう。
このようにClassical Dutchはピースアクティビティが生命線であり、持ち味であるといえます。もちろん黒がじっとしていればストラクチャーの弱点を白にじっくり攻められてしまいますが、エネルギッシュに駒を使えばそのような事態にはならないでしょう。
スポンサーサイト
トラックバックURL

http://chesswarehouse.blog.fc2.com/tb.php/7-9e5850dd

トラックバック
コメント
管理者にだけ表示を許可する
 
▼ プロフィール
▼ 最新記事
▼ 最新コメント
▼ 月別アーカイブ
▼ カテゴリ
▼ 検索フォーム
▼ リンク
▼ QRコード
QR

pagetop ↑

Copyright © 2018 rnanjo all rights reserved.
Powered By FC2 blog. Designed by yucaco.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。