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The Delightful Dutch Part 2

2013.05.18(Sat)

-classical dutch- Comment(0)Trackback(0)
Game D2
Cmilyte,V - Nanjo,R
GM Simul 2013
A96 Classical Dutch


"The Delightful Dutch"第2回は4月末に四ツ谷で開催されたGM NielsenとGM Cmilyteの同時対局で指された試合の解説となります。

1.d4 e6 2.c4 f5 3.g3

この手順だと正規の手順(1.d4 f5)と比べ、白はLeningrad Dutchが来ないことを知っているので、Stonewall DutchとClassical Dutchの2つだけを意識して駒組みをすることができます。g1のナイトを展開する前にフィアンケットを組む準備をする理由としては、Stonewall DutchにはNh3、Classical DutchにはNf3と指したいからでしょう。

3...Nf6 4.Bg2 Be7 5.Nf3

もちろんここで黒が5...d5と指せば、白がNf3と展開したStonewall Dutchになりますが、黒も代わりに一手でBf8-d6と展開する選択肢を放棄してしまうので白にもメリットはあります。

5...O-O 6.O-O d6 7.Nc3 a5

しっかりしたチェス文化が根付いているリトアニア出身のGMだけあって、突然マイナー定跡を指されてもメインラインから外れることがありません。試合はしばらく第1回と同じように、オールド・メインラインを進みます。

8.Re1 Ne4 9.Qc2 Nxc3 10.Qxc3

私の曖昧な記憶の限りでは、7.Nc3の局面から私が黒番を持って負けた試合は2試合しかなく、その2試合ともここで10.bxc3と続きました。その変化にも自分なりの答えを出すことができましたが、10.Qxc3と同等以上に黒にとって手強い手だと思います。

10...Nc6 11.d5

positiond2-1

ここで第1回の試合と分岐します。11.d5の狙いは黒のポーンストラクチャーを崩すことによって、白のe2-e4ブレイクに対して黒がe6-e5、f5-f4、d6-d5のいずれもできなくなることです(詳細はDD1の8手目参照)。場合によってはこのd4-d5突きが強烈な場合もありますが、この局面では黒に対処法があります。

11...Bf6!

白のクイーンを当てることによって手得をしていきます。12.Qe3、12.Qc2などは12...Nb4!でさらに手得されてしまい、黒にe6-e5と突き越す時間を与えてしまいます。

12.Qd2 Ne5!

新たに浮いたc4のポーンを当てながらナイトを当たりから回避させます。

13.Qc2

黒にe6-e5を許してしまいますが、他に魅力的なオプションがありませんでした。13.Nxe5 dxe5 14.dxe6 c6!はe6の白ポーンを黒に回収されてしまい、センターが分厚く駒も良い位置がたくさんある黒が良いでしょう。

13...Nxf3+ 14.Bxf3 e5

positiond2-2

白にdxe6とされることもなく、黒からexd5とすることもなく、ついにセンターポーンをe5-f5と並べることに成功しました。局面は閉じてKing's Indianのようになりましたが、黒の方がセンターのマスをより良く押さえていて、白のクイーンサイドの攻めが大幅に遅れているため黒の良いバージョンだと言えます。

15.c5

ここでこのブレイクを入れなければ黒に15...b6(または15...Be7)とされてしまい、クイーンサイドの突破が不可能となってしまいます。

15...e4!

キングサイドのポーンを伸ばして攻め合いにしても良いですが、d5のポーンが弱くなったのを確認してセンターから試合を展開します。手始めにf6のビショップの利き筋を開き、f3のビショップを閉ざし、白のd5ポーンを白のeポーンや白マスビショップから孤立させます。

16.Bg2 dxc5

続いてdファイルを開くことによって孤立したd5ポーンに正面から火力を放てるようにします。白は白マスビショップをd5を巡る攻防に参加させられませんが、黒はb7から白マスビショップでd5を当てられるためすでに大勢は決しています。

17.Qxc5 b6 18.Qc6 Ba6

b7にビショップを展開することが阻止されたため、a6からe2のポーンを当てることでe1のルークが動けないようにします。白と黒は同じダブルビショップを所持していますが、その働きの差は著しいものです。

19.Bf4

c7のポーンを当てることでどうにかc1のビショップを働かせます。c7のポーンがなくてはd5のポーンが強力なパスポーンになり、b6のポーンも弱点になってしまうため黒は守らなければいけません。

19...Rc8 20.Rab1

白は駒損を防ぎながらなんとか全ての駒を動かせましたが、黒のビショップ2つで白のルーク2つが封じられているのは依然として大きな痛手です。

20...Qe8!

白が唯一持つアクティブなピースはクイーンなので(f4のビショップはg7-g5でいつでも追い返せます)、それを交換しようと試みます。黒にとってはd8のマスからd5のポーンを当てるのはクイーンでもルークでも大きな違いはありませんが、ルークをd5のサポートに使えない白に同じ事は言えません。また交換の際に白のポーンがd5からc6へ移動しても、白はg2の白マスビショップでc6を守れないのに対し黒はb5からビショップでポーンを狙えるため、d5もc6も危うさは変わりません。


21.Qc2 Qb5

positiond2-3

白のクイーンが一歩退き、そのスピースに黒のクイーンが飛び込みます!ここから黒はb2,d5,e2全ての弱点をマークでき、f8のルークもd8へ回せるようになります。21.Bxc7? Be5!はビショップがピンで落ちます。第1回の試合でも述べたように、クラシカルダッチの生命線はピースのアクティビティです。基本と言える成功形は存在しますが、何より目指すべきはピースが全て働いている局面です。

22.g4!?

d5を満足に守る方法がないため、白はここでカウンターに移ります。f5のポーンを消すことができればe4が黒の弱点になるため、反撃の糸口になるかもしれません。

22...Qxd5 23.gxf5 Qxf5?!

ここまで完璧に近い動きをした黒でしたが、ここで緩手が出てしまいます。g2のビショップを封じ込め続けるためにはe4のポーンの存在が不可欠で、23...Rfe8!と守れば白にチャンスが一切渡りません。試合中は23...Rfe8に対して24.Bh3とf5を守られるのが面倒な展開に見えたのですが、24...Qxa2は普通に黒のワンポーンアップな上にQa2-c4のクイーン交換が防ぎにくいです。

24.Qxe4 Qxe4 25.Bxe4

positiond2-4

25...Bxb2!

白マスビショップが戦いに参加した以上、黒は駒得でもしなければアドバンテージは望めません。ワンポーンを取りながらf4のビショップをルークで当てます。

26.Bxc7!

白もビショップを取られるくらいならと最後にワンポーンを取り返します。ここで26...Rxc7?! 27.Rxb2はb6に弱点ができる上にb2のルークがアクテ

ィブなので、こうするくらいなら25...Bxb2と指すべきではありません。

26...Bc3!

ビショップを当たりから避けつつ、e1のルークを当て返します!27.Rec1 Rxc7はビショップを取られながら当て返したビショップを守られてしまうため、これで白は駒損が確定します。仕方ないので白はビショップ+ポーンvsルークで粘る選択をします。

27.Bxb6 Bxe1 28.Rxe1 a4

positiond2-5

一見白はダブルビショップを持っていて、ポーンもひとつ多くeポーンがパスポーンなので代償が十分にみえますが、局面を精査してみると白のビショップには良いマスが存在しないことがわかります。a4のポーン、c8のルーク、f8のルークを当てるマスが全て黒のルークで守られており、パスポーンであるeポーンの進む道を守るにしても、このように盤面を黒のルークで3つに分割されてしまうと小回りが利かないビショップには難しい仕事です。また、黒のキングの方が白のキングよりも安全であることにも一言触れておくべきでしょう。

29.Bd5+ Kh8 30.e4

ルークに白マスビショップにと、eポーンをサポートする体勢は万全に見えますが・・・

30...Bc4!

白マスビショップを交換してしまえば白マスでパスポーンをブロックするのは造作も無いことです。

31.a3

a2のポーンを安全な場所へ避難させ、黒からビショップ交換をするように仕向けます。31...Bxd5? 32.exd5は白の黒マスビショップがd8のマスを押さえているためパスポーンの進撃を止めにくいです。

31...Rf6!

浮いているb6のビショップと正面の開いた白キングの守備を利用し、残る駒もわずかですが仕掛けます。

32.Ba5 Rg6+ 33.Kh1

positiond2-6

33...Bxd5?

とどめを刺せた、というところで再び緩手が出てしまいました。正解は33...Rc5!で、黒マスビショップを動かすとRc5xd5!で取り返したらメイトとなるのがポイントです。試合中の読みでは34.h4とキングの逃げ道を作られるのが不安でしたが、34...Rxa5! 35.Bxc4 Rh5!はメイト受けなしです。

34.exd5 Rg5

仕方ないのでルークをパスポーンの後ろに回します。

35.Rd1

35.d6? Rxa5 36.d7 Rg8! 37.Re8 Ra8!は黒勝ちです。

35...Rc5 36.d6

positiond2-7

36...Rgd5?!

1段目と8段目以外では滅多に見ないWrong Rookの問題です。g5のルークは白キングの動きを止める重要な役割を果たしていたので、d5に回すべきはc5のルークでした。36...Rcd5 37.Rb1 Kg8 38.Bb4 Kf7ならば白の駒はろくに動けず、黒のキングがパスポーンを止める射程圏内に入れます。

37.Re1 Kg8 38.Bb4 Re5 39.Rd1 Rcd5 40.Rc1 Kf7

ここで40...Rg5とするのが最後の勝ちのチャンスだったでしょう。ここからは白も引き分け以上あると思います。

41.Rc7+ Kg6 42.Kg2 Rg5+ 43.Kf1 Kf5

キングをアクティブにする作戦ですが、上手くいきません。43...Rh5と、白キングをh2の守りに釘付けにするほうが安全でした。

44.Rf7+ Ke4 45.d7 Rd1+?

今まで白の粘りが報われ、一気に形勢が白勝ちへと振りきれてしまいます。45...Rd3 46.Re7+ Re5 47.Rxg7 h5ならばドローだったでしょう。

46.Ke2 Rgd5

ルークをdファイルに重ねることでd7を落とす予定でしたが、ここで白勝ちがあることに気づきました。同時対局ですがこの時点で残る試合は私だけ、実質1対1の早指しになっていました。白はここでしばらく長考した後・・・

positiond2-8

47.f3+?

この最後のエラーで再び形勢は黒勝勢になってしまいます。47.Bc3!でメイティングネットを作るのが正解で、黒はf2-f3#に対する満足な受けがありません(47...Rxd7 48.f3+ Kd5 49.Rxd7+はルークが2つとも落ちます!)。
これでd7のポーンが落ちることが確定し、白には黒のダブルルークに対抗できるだけ切り札がなくなってしまいます。

47...Ke5 48.Rxg7 Rxd7 49.Rg4 Rh1

positiond2-9

まずは白の駒の働きをなるべく抑え込もうとします。ターゲットはa3のポーン、h2のポーン、白キングと十分にあります。

50.Rh4 Kf5 51.Bc3 Ra7 52.Kf2 Rc1 53.Bb4 Rac7 54.Rh5+ Ke6 55.h4 R1c4

hポーンからマークは外しません。白はルークがhポーン、ビショップがa3のポーンの守りにつきっきりなため、キングの守りが手薄になっています。

56.Rh6+ Kd5 57.Rh5+ Kd4 58.Ra5 Rg7!

3段目のマスをキングとルークで抑えることで、Rc2+から白キングを端へ追い込みます。

59.Bf8 Rc2+ 60.Kf1 Rb7

狙いはRb7-b1#です。

61.Rxa4+ Ke3 62.Bb4

この手は強制メイトとなってしまいますが、62.Rb4 Rxb4 63.axb4 Kxf3 64.Kg1 Rg2+ 65.Kh1 Rg4 66.Be7 Re4も白負けには変わりません。

62...Rc1+ 63.Be1

positiond2-10

63...Rxe1+! 0-1

64.Kxe1 Rxe1#は当然のことながら64.Kg2 Rg7+ 65.Kh2 Kxf3も受けなしです。
二転三転する試合でしたが、序盤から中盤にかけての主導権の取り方は理想的だったと思います。
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